虐待とは

虐待の種類

虐待には暴力以外にも言葉や扱いによる差別など(心理的虐待)も含まれ、身体的虐待、性的虐待、経済的虐待、ネグレクト(放棄・放任)があります。主な虐待の種類は表の通りです。

身体的虐待 暴力的行為によって身体に傷やアザ、痛みを与える行為や外部との接触を意図的、継続的に遮断する行為
心理的虐待 脅しや侮辱などの言葉や態度、無視、嫌がらせ等によって精神的に苦痛を与えること
性的虐待 本人が同意していない、性的な行為やその強要
経済的虐待 本人の合意なしに財産や金銭を使用し、本人が希望する金銭の使用を理由なく制限すること
放棄・放任 介護サービスの利用や必要な保護などを妨げる、世話をしない等により、生活環境や身体的・精神的状態を悪化させること

「いじめ、差別、ハラスメントとどこが違うのか」という質問をよく受けます。相手の意思に反して嫌がることを強要したり相手に不快を覚えさせる行為という意味で、本質的には虐待と同じです。言葉の使われ方が状況に応じて違うだけのことです。

虐待行為は犯罪行為です

障害者(高齢者、児童)虐待防止法に拘わらず、相手に身体的損傷や心理的苦痛などを与えれば、原則刑事罰が科せられます。

① 身体的虐待:殺人罪、傷害罪、暴行罪、逮捕監禁罪

② 性的虐待 :不同意わいせつ罪、不同意性交等罪

③ 心理的虐待:脅迫罪、強要罪、名誉毀損罪、侮辱罪

④ ネグレクト:保護責任者遺棄罪

⑤ 経済的虐待:窃盗罪、詐欺罪、恐喝罪、横領罪

通報の義務はありますが…

福祉・介護事業所や一般の事業所には対象者に応じて「虐待防止法」や「差別解消法」が適用されており、原則、行政への通報義務があります。しかし、虐待が起こるのはそれら事業所内だけに限りません。家庭の中で、時として道行く人々の中でも差別・虐待が起こりえます。

すなわち虐待は、24時間365日いつ、どこで起こるとも知れないのです。ところが通報先である行政は、朝9時から夕方5時まで暦通りにしか通報を受けてくれません。よしんば虐待の情報をキャッチしても地域に、あるいはネットで広域に公開するわけでもないのです。事実上の隠蔽です。では、どこに通報すればよいか。

答えは簡単、110番通報です。警察なら24時間365日動いていますから、問題なく受け付けてくれるんですが、ここでまた問題が起きます。警察は「それが虐待かどうか」よりも「刑法に違反しているかどうか」しか判断してくれません。ですから、明らかに見てわかる身体的虐待がその場で行われない限り、通報された虐待情報はすべて地域の福祉課など行政に送られることになっているのです。

結局、隠蔽というブラックボックスに入っただけで何ら解決を見ません。そんな時のために虐待コールセンターが必要なのです。